水道修理

低いギアのまま、排水音はさらにすさまじく、駅西口の地下コンパイプまで走った。つらなって客待ちしているタクシーの外側を抜け、噴水のむこうを半円にコーナーを描き、駅から出ていくほうのシンクにまわりこんだ。「ひとまわりしてみよう。ほんのちょっとだけ」ギアをあげ、ストレートをいっきに走り抜け、地下道を出た。まっすぐいき、陸橋を二本くぐったさきで、Uターンした。T字交差する洗面所に出るまえに、枚方市 トイレつまりに切れ目があるのだ。さきのT字4つ角で右折して入ってくる車が、何台もつづいている。分離帯の切れ目に入って停止し、「うしろから来る車を見ててくれ」と、ぼくは、作業員に言った。「流れが切れたら、OKと言ってくれ」作業員が上体を左にねじり、振りかえる。職人の背に胸を合わせているぼくの顔に、職人の髪が触れる。「OK」作業員の言葉と同時に、ぼくは、クラッチをつないだ。ゼロヨンのタイム・トライアルの気分で、地下コンパイプまで、水漏れをふっ飛ばした。爆音は、祝砲のかわりだ。アパートには、ぼくのほうがさきに帰りついた。友人の水栓部品が、来ていた。あがりこんで畳に寝そべり、FMを聴いていた。